特別養子縁組・国際養子縁組の取扱い
当事務所では、特別養子縁組・国際養子縁組の取扱いを行っております。
既に委託を受け、これから裁判所に申立てをしたいという養親さんはもちろん、これから養子を迎えようかと考えていらっしゃる方、予期せずに妊娠してしまった方、妊娠をしたけれど自分では育てられないという方々の相談にも応じております。
ご自身のために、子どものために、何がよいかを一緒に考えていきたいと思いますので、お気軽にご相談ください。
特別養子縁組
養子縁組とは
血縁上親子関係のない者同士に、法律上の親子関係を成立させる制度です。
日本の養子縁組制度
日本の養子縁組制度は、普通養子縁組と特別養子縁組という二種類の制度があります。
特別養子縁組とは
1987年の民法改正により新たに作られた制度で、養親(及びその親族)と養子との間に法律上の親子(親族)関係が成立するだけでなく、実親(及びその親族)との法律上の親子(親族)関係が消滅するという点がそれまでの普通養子縁組とは大きく異なる点です。
特別養子縁組は、養子となる子の福祉のための制度です。
普通養子縁組と特別養子縁組の違い
普通養子縁組 | 特別養子縁組 | |
---|---|---|
成立 | 養親と養子の同意によって成立(但し、養子が未成年者の場合、裁判所による許可が必要) ※市区町村への届け出が必要。 |
裁判所による審判が必要 |
養子の年齢 | 養親よりも年少であれば、年齢は問わない。 |
6歳未満であること。 但し、6歳未満から養親が引き取って養育していた場合には8歳未満まで可能。 |
実親(及びその親族)との関係 | 法律上の親子(親族)関係は消滅しない。 |
法律上の親子(親族)関係は消滅する。 |
戸籍での表記 | 養子(養女)と記載 | 長男(長女)と記載 |
離縁 | 原則可能 | 原則不可 |
特別養子縁組の成立要件
- 配偶者がいる者で、夫婦が揃って養親となること。但し、夫婦の一方が他方の子の養子となる場合は除く。
- 夫婦の一方が25歳以上で、他方が20歳以上であること。
- 養子となるものは原則として6歳未満(前から監護されていた場合は8歳未満)であること。
-
実父母の同意があること。 但し、行方不明、心神喪失、虐待、遺棄など子の利益を著しく害する事由がある場合を除く。
- 父母による子の監護が著しく困難又は不適当であることそのほか特別の事情のある場合において、子の利益のために特に必要性があること(要保護性)。
- 6か月の試験的養育期間を経ていること。
国際養子縁組
国際養子縁組とは
養父、養母、養子のうちいずれかでも外国籍の場合、また養父、養母、養子のいずれもが日本国籍であっても外国でなされるものが、国際養子縁組。 つまり、当事者全てが日本人で、かつ日本国内でなされるもの以外は、全て国際養子縁組。
国際裁判管轄
国際養子縁組の申立を日本の裁判所でできるかという問題については、明示の規定はありませんが、養父母、養子が日本国に居住している場合には、ほぼ問題なく日本での裁判が可能です。
国際養子縁組の実質的成立要件
国際養子縁組が認められるかどうかは、養親の国の法律によります。また、養子の国の法律の保護要件が加重されます。
例えば、アメリカ国籍の夫婦が日本国籍の児童を養子に迎える場合、アメリカの法律(実際には各州法)によって判断され、そこに日本民法による保護要件(実両親の同意など)が適用されます。